無自覚に脱税に加担している行為とは

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あなたの周りにこんな先輩や上司はいないでしょうか?

「残業が出ないから、晩飯でも奢るよ」
サービス残業や急な呼び出しで週末に出社したときに、先輩や上司がこんなこと言ってくれると「残業代は出ないけど」ちょと嬉しいですね。
しかし、この行動には3つの問題があることに気付けているでしょうか?

問題1:上司としての役割を果たしていない

大前提として、残業代を出さない会社が一番問題であることには違いありません。
しかし、残業代を出すように会社に働きかけるのが、本当に良い上司であり優しい上司です。
この上司は、本来サービス残業をさせはいけないことは分かっていながら、上に睨まれるのが嫌(保身)で、若しくは「どうせ言っても無駄だから」と職場環境の正常化を放棄しています。

誰だって、上司や社長に睨まれるのは嫌です。

しかし、そうやって残業代を出さない会社や、現実から目を背ける社員がいる会社は何も変わりません。

保身のため、若しくは諦めて何も言わないのは、自らブラック企業を作り上げているのと変わりません。
※ここで書いているブラック企業とは法律を犯しているという意味です。

なんだかんだと言いながら、あなた自身がブラック企業であることを受け入れた結果、新しい人をその企業に招いている戦犯に他なりません。
部下に食事をご馳走するというのは、優しさではなく、自分自身への甘えであり、残業を払われないという被害者を増やしている共犯者です。

自分がいじめられるのが嫌で、いじめっ子が怖くて、いじめを見て見ぬふりをしているのと何ら変わりはないのです。

問題2:脱税に加担している

残業代が払われていない状態というのは、本来会社から「給与」として支給される金額が払われていない状態です。

「給与」ということは、支払い側にはその金額に係る法人税や各種保険料などの納税義務があります。
そして、受け取る側にも所得税、住民税、各種保険料などの納税義務があります。

それを、自腹で奢ることで残業代が出ないことを有耶無耶にする行為は、大げさな書き方ですが法人としても個人としても脱税のほう助に他ならないのです。
※実際には、金額そのものではなく標準報酬月額などの等級を出したりするので、結果的に影響がない場合もあります。

問題3:問題と向き合っていない

こういった、残業代が出ていないから「自分が奢る」という行為は、特性として優しい方、若しくは管理者として部下の機嫌を取らないと管理できない(他人の顔色を伺う)方が多いです。

優しいということは人間として素晴らしい特性ではありますが、長所と短所は表裏一体です。
「他人に優しい」方は「自分にも甘くなりがち」で、本来成すべき事から目を背け、表面上の優しさで、問題の解決を先送りにして被害を拡大する可能性があります。

仕事で求められる「優しさ」とは、ダメなものはダメだと言える「強さ」や「勇気」です。
仕事は仲良しごっこではなく、それぞれが人生を掛け、世の中に価値を生み出すための場所です。

嫌われたくはないのは当然です。

しかし、仕事は自分が「嫌われない」ためにするのでも、メンバーと「仲良く」するためにするのでもありません。
それは、世の中に価値を生み出すための「手段」のひとつでしかないことを胸に刻みましょう。

優しいというのは素晴らしい特性です。

ですから、その優しさを「思いやり」や「気遣い」「気配り」といった長所で発揮してください。
そうすれば、職場環境は今よりももっと快適になります。

そして、その優しさを「自他への甘さ」や「現実から目を背ける理由」「言い切れない弱さ」として発揮しないでください。
そうなると、職場環境は乱れ、ともすれば自分の居場所が無くなります。

仕事とは私人ではなく公人ですので、公人として対価を払わない働かせ方をする会社は以ての外ですが、対価を貰っている以上、私人の気持ちが公人としての言動を上回ってはならないのです。

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