就職するときに何よりも優先して考えたい要因

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会社選びの要因は大別して2つ

以前の記事で「好きなことを仕事にしても、好きに仕事ができるわけでは無い」と書きました。
好きを仕事にすると、好きに仕事ができるは違う

そうなると、何を指針に会社選びをすればいいのかいいのでしょうか?

人によって、会社に望むものは違います。
  • 給料
  • ボーナスがあること
  • 通勤時間
  • 年間休日数
  • 企業規模
  • 私服での勤務可能
  • 時短勤務
  • 今までの経験が活かせる
  • やりがい
  • 人の役に立つ
  • 好きなことを仕事に
などなど…

これを大別すると、「外的要因」と「内的要因」に分けられます。

外的要因

外的要因とは給与や労働条件など、条件面や環境面を指します。
まず求人票を見ると目に付く項目です。

「A社の方が給料は多いけど、B社は社員旅行が毎年海外だ」など、色々なことを天秤にかけ悩むのではないでしょうか?

この外的要因は「従業員満足度」に繋がります。
それなら、従業員満足度が高い方がいいよね…と思うかも知れませんが、基本的に従業員満足度は、働き続けるうえで「プラス」には働きません。
ちょっと不思議な気がしますよね。
満足度が高いのに、働き続けるうえで「プラス」には働かにとはどういうことか。

従業員満足度とはお金で解決できることが殆どなのです。
「給料を上げる」「海外旅行に行く」「フリードリンク制」「好きな椅子を買っていい」「個室が用意される」…

しかし、世の中に会社は沢山あります。
同じ職種で、同じ仕事、同じビルに入っているので立地も同じ…こうなると、外的要因である給料や福利厚生が良い方に入社、若しくは転職してしまいます。

このため、従業員満足度は、不平不満が少ない状態、現実的な書き方をすると「お金で従業員の不満を解消している状態」になります。
※従業員満足度のために継続的に資本を投資できるという視点では、会社の体力を計る目安にはなりますので参考値のひとつとしては使えます。

余談ですが、相談を受けていると「福利厚生がいい会社がいい」と言われる方がいます。
福利厚生が充実していると聞くと聞こえはいいですが、そのお金は何処からでていると思いますか?
当然、それは自分たちが仕事をして稼いだお金から支払われているのです。
ですので「法定福利厚生(法律で決められている福利厚生)」のみで、「法定外福利厚生(法律で決められていない会社独自の福利厚生)」は導入せず、そこに支払う金額を社員の給与に少しでも還元するという企業もあります。

また、その時に忘れて欲しくないのは、その福利厚生の内容です。
例えば、福利厚生に「○○球場の年間指定席」と書いてあっても、野球に興味が無ければ、その福利厚生は一度も使うことが無く退職することもありえます。
自分が稼いだお金が何処に使われているのかもちゃんと意識しておきましょう。

内的要因

内的要因とは、やりがいとか、充実感など人との間に築かれるものが多いです。
まず求人票を見ても書いていない項目ですが、採用ページなどで、仕事が出来そうな先輩が「会社のやりがい」や「アフターファイブの充実」などを書いているのは、内的要因をアピールするためですこのためです。
ちなみに、信じている人はいないと思いますが、採用ページは当然会社の広報媒体ですから、嘘は書いていなくても、良い側面しか書いていません。
記事は本人が書いたとしても、人事か広報のチェックが入るので本音は掲載されていないと思ってください(本人も上司や人事に睨まれたくないですから無難な内容しか書きませんし…)。
最悪、入社したらその先輩は既に退社済みなんてことも普通にあります。

だいぶ話がそれましたが、この内的要因は「エンゲージメント」と言われます。
簡単に言うと、「この仲間と働きたい」「この会社が好きた」「成長を感じる」「やりがいがある」…こういったことに満足感があると、ライフイベントの変化で絶対に給料を月5万円上げなければならないとか、地元に帰らなければならないといったことが起きない限りは、今ある満足を手放してまで、外的要因が良い会社へ安易に就職したり転職したりしないものです(今の満足感や達成感が次の職場で得られる保証は何一つないのですから)。

つまり、「エンゲージメント」とは、働き続けるという観点で見ると「プラス」に働いている指標です。

「従業員満足度」と「エンゲージメント」は何に影響するのか

それはずばり「従業員定着率」です。

単純にこの2つの要因だけではないのですが「従業員満足度」が高い会社は、入社希望者が多くなりますが、「エンゲージメント」が低いと離職率は高くなります。

どんなに条件が良くても、達成感ややりがいが感じなければ、それはもうただの作業です。

「従業員満足度」と「エンゲージメント」両方が高いにこしたことはないですが、長く働いていきたいのであれば「エンゲージメント」が高い会社を選ぶといいでしょう。

就活で採用ページなどを見るときは記載されている内容が「従業員満足度」なのか「エンゲージメント」なのか、しっかり違いを理解しておきましょう。

3つ目の要因「価値観」

会社選びの要因は大別して2つと書きましたが、実はもう一つもっと大きな要因があります。
カテゴライズとしては「内的要因」に属するものではあるのですが、「価値観」が一緒であるかどうかが非常に重要です。

この場合の「価値観」とは「普通」と言い換えることができるかも知れません。
「普通」という概念はひとりひとりで違い、「普通」ほど「普通でないもの」はありません。

どんなに給料が良くても、どんなに成長できる環境であっても、「自分の普通」が「会社や上司、同僚の普通」が違うとストレスが溜まります。

始業15分前には出社するのが「普通」だと思うのに、いつも遅刻ギリギリで出社して準備をして実際に働き始めるのは始業してから20分後の同僚に対しそれを指摘したら、周りから「細かい奴」「口うるさい奴」と言われる。

セキュリティリスクを考えてUSBを使わないようにしているし、会社のセキュリティポリシーにも使用不可となっているのに、上司が使っているので「USBを使ったらだめなのでは?」と聞いたら、「新人が生意気を言うな」「皆使っているから大丈夫」と言われる。

全然知らない話したこともない別の部署の先輩が退職するので、送別会でプレゼントを贈るために(厚意で)任意で500円求められて「知らない人だし、任意なら出しません」と言ったら「優しくない」「協調性がない」「たった500円が出せないなんて心が狭い」と言われる。

実際にこんなやりとりがいたる所で起きています。

この例を見ても、「え?遅刻しなかったらいいじゃん」「USB使った方が便利じゃん」「500円ぐらい払えばいいじゃん」と思う「価値観」の人には何の苦痛もありません。

しかし、この「価値観」のズレが生じている場所に身を置くのは大変な苦痛です。しかもその職場にいる人は、その職場に居続けることができている人なので、味方は皆無です。
事なかれ主義で、長いものには巻かれる「価値観」を持っていますから、精々「おかしいと思ってはいるけど、言っても揉めるだけだから」程度の返事しかありません。
※この3つの例は、わかりやすくするために極端な対立関係を書きました。また、組織のルールより自分の「普通」が優先されることが無いのは注意してください(自分にとって、「飲酒運転は「普通」だから法律がおかしい、法律を直せと)いうのと同じです)。

もっと身近な例だと、恋人や夫婦であっても、目玉焼きに「醤油をかけるか」「ソースをかけるか」「塩コショウをかけるか」、卵焼きは「甘いか」「塩辛いか」、髪は「長い方が好きか」「短い方が好きか」、下着は「ブリーフが好きか」「トランクスが好きか」などで揉めます。

振り返ってみると、長く付き合えているパートナーや、古くからの友達は一緒にいて「楽」ではないでしょうか。
それは、私が何も考えず「普通」に発した言葉が、曲解されず、否定されず、「普通」に通じるから、若しくは「普通」が違っていてもそれを受け止め、受け入れられる関係が構築できているからではないでしょうか。

この「価値観」と言うのは実際に入社してみないとわからないことが多いです。
就活において「外的要因」「内的要因」(キャリア支援者だと「外的キャリア」「内的キャリア」などと言います)が、当然大事な要因です。
しかし、面接時には「外的要因」「内的要因」は確認にとどめ(大概のことは求人票か採用ページに書いてある)、面接官の言動から、その会社で「普通」とされている「価値観」を探り出す時間に使う方が、入社後の「こんな筈ではなかった」が減らせます。

そして、そのためには自分の「価値観」が何なのかをしっかり理解しなければなりません。
就活時に「自己理解」「自己分析」をしっかりしないといけないのはこのためです。決して「どんな仕事に興味があるか」「どんな仕事に適性があるか」を見つけるものではないのです。
とは言え、残念ながら多くの大学のキャリアセンターの職員さんも、キャリア支援者もこのことを理解されていないのが実情です。

宣伝になるので、あまりこう言うことは書きたくないのですが、Life Craft Worksのキャリアカウンセラー(私ではない)は、本当に「自己理解」「自己分析」が何のためにあるかを理解し、誰よりも、相談者本人すら気づいていない「根底にある価値観」を形にするプロフェッショナルです。

もし、就活前に、就職前に自分の「価値観」をしっかりと把握したい方はご連絡ください。

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