面接で「経営計画」を聞く就活生はお祈り候補生

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面接で「経営計画」を聞く愚かさ

巷では面接の逆質問は何がいいかという情報で溢れかえっています。
その中に「経営計画は、会社に興味を持ってる、将来在籍する会社のことなので聞くべき質問」などの発信を多く見かけますが、まったく見当違いの内容であると断言します。

そもそも、逆質問を探すために検索しないといけないような状態では、応募する企業にそこまで興味がない証拠です。
※自分が逆質問したい内容がどうなのかを調べる検索は大丈夫です。

就職は恋愛に例えられることがありますが、もし好きな異性がいた場合、知人からそれとなくリサーチしたり、話すタイミングがあったら相手がどういった性格なのか、何が好きなのか、家族構成は?週末はどうやって過ごしているの?好きな人やお付き合いしている人はいるの?好みのタイプは?など質問が自然と出ませんか?(リサーチしませんか?)

興味が無いから、質問する内容が出てこないし、出てこないから検索した結果、誰もかれも聞いたところで分かりもしない「経営計画」を質問することになるのです。

量産型「似非意識高い系」就活生

最初に書いておきますが、本当に応募した企業の「経営計画」に興味がある就活生は「経営計画」を聞いても問題ありません。
むしろ積極的に聞きましょう。

何故なら興味があるからこそ、「経営計画」を聞いても、そこから別の質問や、自分が何に興味があって、何が聞きたかったのかを伝えることが可能となるためです。
そもそも、本当に興味がある場合は「長く働きたいと思っているので、御社の経営計画を教えてください」などと浅い質問にはなりませんし、例え見当違いの質問であったとしても採用側も「あー、なるほど、こういう風に捉えてるのね」「ここの部分が気になるのね」など、「あ、本当に興味を持ってくれているんだ」と感じるからです。

しかし、興味が無いのを補うために何とか意欲が高いように見てもらいたい、興味を持っているように見せたいと思っている「似非意識高い系」は、インターネットで調べた中で、より意識が高く、なんかできる人が言いそうな「経営計画」に飛びついて、浅い質問を繰り返します。

挙句、面接で回答をいただいても「ありがとうございました、よくわかりました」程度の返事しかできません。

同様に質問に「中長期計画」やら「人事以外を応募しているにも拘らず、面接担当の仕事のやり甲斐」なども、インターネットでよく見かけると同時に「似非意識高い系」就活生が好んで選ぶ質問です。

就活生が「経営計画」を聞いてわかるのか

そもそもの問題として、キャリアが20年あるベテランならともかく、就活生が「経営計画」を聞いて理解できるのかという視点が抜けています。

「他社の選考でも経営計画を聞かれていると思いますが、他社と比較して当社と他社の優れている個所、劣っている個所を当社の経営計画として指摘してください」と聞かれて、何年も最前線で闘っている取締役が定めた「経営計画」を、働いたことも無い、その企業に属したこともない就活生が、世界や日本、地域の経済や社会情勢、他社競合との力関係を加味して、何か答えることが可能でしょうか。

聞かれてと書きましたが、面接担当者も聞きません。
聞いても無駄だとわかっているから、この質問をするぐらいなら別の質問をした方が建設的な時間になることが分かっているから聞かないのです。
つまり面接担当者も「経営計画」についての質問は「わかりもしないのに聞いてきている」「時間の無駄」と考えている何よりの証なのです。
※逆に「経営計画」への質問に対して、面接担当者から質問があるということは、応募者の価値観や考え方、経験に興味があるということですので「教える」といった傲慢な態度になることなく、自分の考えを素直に話しましょう(見当違いな意見でも大丈夫です)。

さらに書くと、「経営計画」を理解している従業員なんて一握りしかいません。
それはそうです。
面接時は「経営計画」なんて意識の高い振りした質問をしますが、入社後「経営計画」を意識して日々仕事をしている従業員など一握りしかいないからです。

嘘かどうか気になるなら、面接時に「経営計画」を聞いたOBOGや、「経営計画を聞くべし」などと発信している支援者に「あなたは、入社して一年経過した今でも「経営計画」を意識して教務に取り組んでいますか?」と聞いてみるといいでしょう。

組織に属している人、それこそともすれば面接するその人が誰よりもその現実を知っています。
そして、何十人何百人と面接していれば、何度か言葉を交わせば「経営計画」を含め求職者の質問が、自分の中から出てきた質問か、質問の振りをした自分の意識の高さのアピールか判断するのは容易なことなのです。

「経営計画」を理解している従業員なんて一握りしかいないと書きましたが、これには別の側面もあります。
立場や職責によって持っている情報が違うからです。
「経営計画」など組織の未来に関わる内容はすべてが公開されているわけではありません。
取締役は知っていても、人事部長は知らないこと、人事部長は知っていても採用担当は知らないこと、ましてや一次面接に出席する他部署の社員に組織の将来を左右する中核情報がどれほど伝わっているか甚だ疑問です。

当然、代表取締役との面接する機会があっても、語られる「経営計画」は「誰が知っても構わない情報」もしくは「ブランディングとして広まってもらえると嬉しい情報」でしかありません。

それにも関わらず、「ありがとうございました、よくわかりました。凄いですね、私も御社の一員となって、その計画の実現を目指したいです」などと言われても、相手の心にさざなみ一つ起きません。

むしろ「今日、経営計画語ったの5回目だっけ?」ぐらいにしか感じていないのではないでしょうか。

本当に興味があれば、そこから「何故」「どうして」「この部分をもっと詳しく」など自然とやり取りが続くのですが、それこそ「経営計画」なんて大きなテーマが一往復で終わるようであれば、採用不採用のボーダーライン上に居る場合は、不採用要因のひとつとなっても致し方ないのではないでしょいうか。

自分の頭を使って考えよう

以前、インターネットの普及で、「わからないことは調べれば答えが出る」という環境になっているため、「考える」「想像する」という工程を省いて答えを欲しがる人が多くなったと書きました。
Web面接ってどこからが面接ですか?

しかし、それ故に、就活生からの質問が「皆同じ」「区別がつかない」「個性(良さ)が伝わらない」結果「誰でも変わらない」状態に陥っています。

大学のレポートの引用先が皆同じだったなど、笑い話のように言われますが、社会では「自分の頭で考えられない人は不要」なのです。
※言われたことだけする作業なら如何様にもオートメーション化可能なことからも、作業者として安い労働力として毎日同じことを繰り返す仕事がしたいのなら別です。

インターネットで調べることが問題ではありません。
  • それをそのまま使うとどうなるのか
  • 他の就活生も同じサイトを見ていたらどうなるのか
  • 採用担当者が同じサイトを見ていたらどうなるのか
  • サイトに載っている「手段」を「目的」に当て嵌めるとどうなるのか
調べた結果を、疑いもせずに鵜呑みするのは、思考を停止していることと同義です。

朝の情報番組で「バナナが良い」と放送され、店舗からバナナが無くなり、親がバナナを買い占めるのを見て「TVに踊らされて」と鼻で笑いませんでしたか?心の中で嘲りませんでしたか?

自分自身が「インターネット上の情報に踊らされて」いないでしょうか。

繰り返し何度も書きますが、得た情報を精査する工程を省いてはなりません、自分の頭で考えることを忘れてはなりません。

最後に…

色々と書きましたが、そもそも就活生である自分こそが「「経営計画」を聞いたってわからないけど聞く意味あるのかな?」と思ってます。と言いたくなりませんでしたか?

その瞬間がチャンスです。

疑問に思った瞬間に、考えることを放棄して、疑問を飲み込んで書いてあることに盲目的に従うのではなく、思い浮かんだ疑問に対して「自分にとってどういった意味を持つのか」「自分に必要な情報なのか」「そもそも真実なのか」を立ち止まって考えてください。
※Life Craft Worksの記事も、発信者の経験や収集した情報を元にしたものでしかありません。自分にとって必要かどうか(使える情報かどうか)は、読者自身が判断し、必要と思う箇所だけうまく利用してください。

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